
ペルソナは、年齢や年収を細かく決めなくても作れます。思い浮かべるのは、自分と同じ悩みを持つ1人だけです。
「ペルソナを作りましょう」と言われても、名前や年齢、年収、趣味まで書き込むシートを見せられると、正直ちょっと身構えますよね。そもそもペルソナって何?という人もいると思います。
私も以前は、読んでくれる人みんなにわかってほしくて、あれもこれもと説明を足していました。気づけば、1本の記事の中で言っていることが食い違っている。
そこから抜け出せたのが、「自分と同じ悩みを持つ1人」に向けて書くやり方です。この記事では、その手順を3ステップと記入用のシートにまとめました。読み終わるころには、次の記事を誰に向けて書くか決まっているはずです。
この記事でわかること
- ペルソナの意味(マーケティング用語をやさしく解説)
- 自分と同じ悩みを持つ1人に絞る、ペルソナの作り方3ステップ
- そのまま使える「ペルソナシート」と、書き終えたあとのチェックリスト
先に、35秒の動画で全体の流れをまとめました。音が出るので、音量に気をつけて再生してください。
ペルソナとは「この記事を届けたい、たった1人の読者」のこと

ペルソナは、ひとことで言うと「この記事を読んでほしい1人」のことです。もとはマーケティングの言葉で、商品を作るときに「誰に買ってほしいか」を、実際にいそうな1人の人物まで落とし込むときに使われています。
語源はラテン語の「仮面」で、お芝居の「役柄」という意味もあります。ブログなら、「この記事を読む人」という役を1人に決めておく、くらいの感覚で大丈夫です。
似た言葉に「ターゲット」がありますが、ターゲットは「こういう人たち」という集団、ペルソナはその中の1人、と覚えておけばOKです。
| 言葉 | 指すもの | 例(キーボードの記事) |
|---|---|---|
| ターゲット | 読者の集団 | キーボードを買いたい人 |
| ペルソナ | その中の1人 | 打鍵感にこだわってキーボードを探しているのに、どれが自分に合うか決めきれない人 |
LINEを送るときを思い出してみてください。同じ「明日の予定」の連絡でも、友だちなら「明日いける?」、先輩や上司なら「明日はご都合いかがでしょうか」と、言葉づかいが自然に変わりますよね。送る相手の顔が浮かんでいるからです。
ブログ記事も同じで、誰に送るかが決まれば、言葉も中身も決まってきます。ペルソナは、その「送る相手」を決めておくための準備です。
全員にわかってほしい記事は、説明が矛盾して誰にも響かない

読者を1人に決めないまま書くと、説明がぶれて、結局誰にも響かない記事になります。これは、私が実際にやってしまった失敗です。
同じことで悩んでいても、人によって今の状況も、ものを選ぶときの基準も違います。なのに当時の私は、読んでくれる人全員にわかってほしいと思っていました。ある人を思い浮かべて「こっちがいいです」と書き、別の人を思い浮かべて「でも、あっちもいいです」と書く。読み返すと、同じ記事の中で言っていることが矛盾していたんです。
これでは読む側も、結局どれを選べばいいのかわかりません。あれもいい、これもいいという八方美人な記事は、親切なつもりでも、読者の背中を押せないんですよね。
書き方が変わったのは、ペルソナという考え方を知ってからです。読む人を1人に決めてからは、その人と目の前で話しているような感覚で説明できるようになりました。相手が1人なら「あなたならこれです」と言い切れる。説明が矛盾することもなくなりました。
書いていて迷ったときも、「この人にとってはどっちがいい?」と考えれば答えが出ます。ペルソナは、文章をうまく見せるためというより、記事の言いたいことを1本にまとめるために使うもの、と私は考えています。
読者は「自分と同じ悩みを持つ人」にすると、一番書きやすい

初めてペルソナを決めるなら、「自分と同じ悩みを持つ人」にするのがおすすめです。私も基本は、自分と似た人に向けて記事を書いています。
自分が読んで面白くない記事は、同じ悩みを持つ人が読んでもきっと響きません。反対に、自分が読んで「これが知りたかった」と思える記事なら、同じ悩みを持つ人にも届きます。
それに、自分の悩みなら、どこでつまずくか、何が知りたいかを想像で補う必要がありません。自分の経験をそのまま書けるので、かゆいところに手が届く文章になります。
ただし、「似た人」は年齢や職業ではなく、悩みで考えます。たとえばキーボードにこだわりがある人でも、どこにこだわるかは人それぞれです。
- キー配列:どんな並びのキーが使いやすいか
- カスタマイズ性:キーの割り当てや部品を自分好みに変えられるか
- 打鍵感・打鍵音:押したときの感触や音が気持ちいいか
同じキーボード好きでも、打鍵感で迷っている人とキー配列で迷っている人では、知りたいことがまるで違います。私の言う「自分と似た人」は、自分がキーボードを選ぶときに悩んだのと同じところで、悩んでいる人のことです。
ペルソナの作り方は3ステップ。自分の悩みから1人を描く

ペルソナは、自分の悩みを出発点にして、次の3ステップで作れます。慣れてくれば、1記事5分もかかりません。
- 記事のテーマで、自分が悩んだことを書き出す
- 悩むポイントを1つに絞る
- その人が読み終えたらどうなりたいかを1文にする
ステップ1:記事のテーマで、自分が悩んだことを書き出す
まずは、記事のテーマについて自分が悩んだことや迷ったことを、思いつくまま書き出します。文章になっていなくて大丈夫です。キーボードの記事なら「高いキーボードって本当に打ちやすいの?」「打鍵音、うるさくない?」「自分にはどの配列が合う?」くらいのメモで十分です。
ポイントは、詳しくなった今の自分ではなく、調べ始める前の自分を思い出すこと。検索窓に言葉を打ち込んでいたときの自分が、この記事の読者です。
ステップ2:悩むポイントを1つに絞る
次に、書き出した中から、この記事で答える悩みを1つだけ選びます。打鍵感もキー配列も1本で全部答えようとすると、また説明がぶれ始めるからです。
選ばなかった悩みは、別の記事のネタとして取っておきます。1記事で答える悩みは1つ、読者も1人。こうしておくと記事ごとの役割がはっきりして、似たような記事が増えるのも防げます。
ステップ3:その人が読み終えたらどうなりたいかを1文にする
最後に、その悩みを持つ人が、記事を読み終わったときにどうなっていたいかを1文で書きます。「〇〇で悩んでいる人が、△△できるようになる」という形にすると書きやすいです。
ペルソナの1文の例
打鍵感にこだわってキーボードを探しているのに、どれが自分に合うか決めきれない人が、自分好みの打鍵感のキーボードを選べるようになる。
この1文は、そのまま記事の目的として使えます(目的の決め方はブログ記事を書く前にやること4つで書きました)。書いている途中で話がそれそうになったら、この1文の人に向けて書けているかを見直してみてください。
年齢や年収は細かく決めなくていい。ペルソナは1記事に1人

ブログのペルソナなら、年齢や年収、家族構成まで細かく決めなくても大丈夫です。決めておきたいのは、その人が何に悩んでいて、読み終わったらどうなりたいか。この2つです。
私自身、収入や家庭環境には特に条件をつけていません。自分と似た人を想定しているので、そのあたりはだいたい平均的なところになるだろう、と考えているからです。細かい設定を埋めるより、悩みをはっきりさせるほうが、記事にはずっと効いてきます。
| しっかり決めること | 細かく決めなくていいこと |
|---|---|
| 何に悩んでいるか(打鍵感など、悩むポイントまで) | 名前・年齢 |
| 今どこまで知っていて、何に迷っているか | 年収・職業 |
| 読み終えたらどうなりたいか | 家族構成・趣味 |
それから、ペルソナは1記事に1人だけにします。「初心者にも上級者にも」と欲張ると、最初に書いた矛盾だらけの記事に戻ってしまいます。別の人に向けて書きたくなったら、その人向けにもう1本書けばいいんです。
そのまま使える「ペルソナシート」

3ステップで決めることを1枚の表にしました。キーボードの記事で埋めた例を入れてあるので、自分のテーマに書き換えて使ってください。
| 項目 | 書くこと | 記入例(キーボードの記事) |
|---|---|---|
| テーマ | 記事で扱うもの | キーボード選び |
| 自分の悩み | 調べる前に悩んだこと(いくつでも) | 高いものは本当に打ちやすい?/打鍵音がうるさくない?/自分に合う配列は? |
| 絞った悩み | この記事で答える悩みを1つ | 打鍵感が自分に合うか、買う前にわからない |
| 今の状態 | どこまで知っていて、何に迷っているか | 種類が多すぎて決めきれない |
| なりたい結果 | 読み終えたらどうなっていたいか | 自分好みの打鍵感のキーボードを選べる |
| ペルソナの1文 | 上の行をつないだ1文 | 打鍵感にこだわって探しているのに決めきれない人が、自分好みの1台を選べるようになる |
| 残した悩み | 別の記事にする悩み | 打鍵音、キー配列 |
ちなみに、この記事は「ペルソナを作れと言われても、項目が多くて手が止まっているブログ初心者」に向けて書いています。読みながら「これ、自分のことかも」と思ってもらえていたら、うれしいです。
書き終えたら「自分に響くか」でチェックする

書き終えたら、最後に自分で読み返して「これ、自分に響くかな?」と確かめます。読者が自分と同じ悩みを持つ人なら、自分が読んで面白いかどうかが、そのまま読者の反応に近くなるからです。
公開する前に、次の5つを見直してみてください。
- 調べる前の自分が読んで「これが知りたかった」と思えるか
- 「Aもいい、Bもいい」と矛盾した勧め方をしていないか
- 1つの記事で答えている悩みは1つだけか
- ペルソナの1文の人に、話しかけるように書けているか
- 自分の体験(つまずいたこと、選んだ理由)が入っているか
どれか1つでも引っかかったら、ペルソナの1文に戻ります。直すところは、たいてい「その人には関係のない段落」です。
まとめ:ペルソナは「自分と同じ悩みを持つ1人」から作る
最後に、ポイントをおさらいします。
- ペルソナとは、記事を届けたい読者を1人の人物として思い描いたもの
- 全員にわかってほしい記事は、説明が矛盾して誰にも響かない
- 初めてなら「自分と同じ悩みを持つ人」をペルソナにすると書きやすい
- 作り方は「悩みを書き出す → 1つに絞る → なりたい結果を1文にする」の3ステップ
- 年齢や年収は細かく決めなくていい。ペルソナは1記事に1人
読む人が決まったら、次はその人が検索窓にどんな言葉を打ち込んで、本当は何を知りたいのかを調べてみましょう。調べ方は、次の記事検索意図の調べ方|読者が知りたいことを1文にする4ステップで解説しています。
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